清水の記憶

地球寒冷化

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 かねてより地球規模の気候変動について関心を持ち、太陽黒点情報を継続して更新してきたが、先ごろアメリカの保守派メディアであるブライトバート・ニュースが地球寒冷化について4月28日付で以下のような興味深い記事を掲載したので紹介する。

  ”この2年間の地球は「過去1世紀で最大の寒冷化を示した」という衝撃の中にある。”

 私たちの地球はこの2年間、過去1世紀で最も極端な寒冷化事象を経験した。しかし、このことを報じた大手メディアがあっただろうか?人によっては、今初めてこのことを聞いたという方もいるのではないだろうか?
 また4月24日付でメディア「リアル・クリア・マーケット」は以下のように報告している。

 ”2016年2月- 2018年2月の 2年間で、世界の平均気温は 0.56℃低下した。これは、それまで過去最大の平均気温の低下を見せた 1982年- 1984年の 2年間の気温の低下 0.47°Cを上回る数字だ。このデータの数字はすべて NASA ゴダード宇宙科学研究所による GISS 地球表面温度分析(GISS Surface Temperature Analysis)からのものであり、これは世界の平均気温の報告について、世界中のほとんどのジャーナリズムの報道で使用される標準的データソースだ。
 2016年から 2018年のこの「大寒冷化」は、2つの小さな寒冷化に主導された。ひとつは、2016年2月- 6月と、もうひとつは 2017年2月 – 6月の期間だ。そして、仮に 2018年2月から 6月までも同様の事象が起きた場合、地球の平均気温は、1980年代よりも低くなる。”

 この2年間の気温の低下に関しては、現在の地球が19世紀の終わりから経験している地球温暖化全体の半分以上を相殺するのに十分であると考えていいものだ。
 1880年代のミニ氷河期の終わり以来、地球は約 0.8℃ほど暖かくなっている。実はこの程度の気温の上昇は、ローマ時代や中世の温暖化期などのような歴史的な温暖化に比べれば、それほど劇的な速度ではないことが指摘されている。それにもかかわらず、この 0.8℃の気温の上昇は、過去数年十間、地球温暖化として「恐ろしいこと」と警告され続け、あたかも地球の歴史で最悪の出来事が起きているような喧伝をされ、私たちを心配させ続けてきた。しかし、ここにきて突然の寒冷化となったわけだ。

 指摘したいのは、寒冷化についての統計的異常値は、メディアの注目を集めないという現実である。現在でも、毎月のように地球温暖化についての数値はメディアから発表され続けているが、寒冷化についての異常値は出されることがない。地球の年間の平均気温が最も高い記録を出した時には、大きな話題として取りあげられる。また、月単位でも、前月より今月の気温が上昇した時には、やはり大きく取りあげられる。しかし、逆の寒冷化に関しての記録は取りあげられない。

 地球温暖化に関しての証拠は実際には脆弱であるにも関わらず、ほとんどのメディアは地球温暖化の恐怖を増加させることに賛成の立場をとっている。
 一方で、科学の世界では最近「太陽活動と地球の寒冷化」について多くの研究がなされている。先ほどのブライトバート・ニュースに「 寒冷化についての統計的異常値は、メディアの注目を集めない」とあるが、これらの多くの科学者たちによる寒冷化の予測は、少なくともメジャーメディアでは、ほとんどふれられることなく今日まで来た。そして、これから夏に向けて今年もまた「史上最高気温」などの温暖化的な記録が出る時には、それらについては、そのたびに報道されていくのではないか。

 実際、この2、3年くらいは「記録的な高温が観測される場所や地域が多くなっている」のも事実である。ところが、それにも関わらず、現実は「この2年間、地球の気温は劇的に下がった」のである。
 昨今の傾向として、気温の上下の振幅が激しくなっているのか、暑くなるにしても寒くなるにしても、「派手になっている」ということは言えるのかも知れない。今年も世界中で、そして日本で、ものすごく暑くなったりとか、その逆に、異様に涼しかったりといった、どちらにしても普通ではない気温や気象を繰り返しながら、「平均として気温は着実に下がっていく」という状態が続くのではないだろうか。

 本格的なミニ氷河期の始まりがいつになるかはいまだにはっはきりとはしない。しかし、過去2年の地球が「過去最大級の気温の低下を見せた」ということは、ロシア科学アカデミーが2016年に発表した「ミニ氷河期は 2015年にすでに始まっている」という主張もあながち間違っていなかったのかもしれない。

 この冬にヨーロッパや北アメリカで観測した史上最低気温も日本で報道されることはなく、逆に3月から続くこのところの国内の高温傾向は桜の開花時期と結びつけながら幾度となくメディアに取り上げられてきた。
 日々更新している太陽黒点情報でも「黒点ゼロ」の日が連続する傾向が顕著であり、太陽活動は確実に弱くなってきている。寒冷化は食糧不足に直結することもあり、温暖化よりも深刻であるだけに心配である。

2018年(平成30年)5月4日

清水庁舎移転地に清水駅東口を決定

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 JXTGによるLNG火力発電所計画の中止を待っていたかのように、静岡市は28日、清水庁舎をJR東口公園に移転する方針を正式に決定し、市のホームページ上に発表した。

 同HPの基本構想によれば、庁舎の規模と施設構成は次の通り説明されている。
①今までどおり戸籍や国保、年金などの手続きを行う区役所を置くほか、市税事務所などの事務所等を配置する。
②港を中心としたまちづくりなどを進め、まちの活性化を実現する組織を配置する。
③意思決定の迅速化や事務効率の観点から、原則として本庁組織(市全体を対象に業務を行う部署などを指す)は、静岡庁舎に集約する。
④想定される庁舎規模は、職員数600~650人程度、最大面積14,000㎡(現庁舎の34%減)程度と見込まれる。

 市では庁舎のコンパクト化を前面に打ち出しているが、要するに駿河区役所に市税事務所と港を中心としたまちづくりを進める組織を加えた程度の、現状960人程度の職員数から3分の2程度にコンパクト化(ダウンサイジング)するといった、ことばから抱くイメージそのままの小さな庁舎への新築移転である。これも合併協議会の合意から逸脱した、清水区民にとっては不満の残る内容ではあるが、桜ケ丘病院の移転が後ろに控えていることもあり、大筋この内容で進むしかないであろう。

 清水区中心エリアはレベル2の津波浸水想定区域である。しかしならがら、その確率を調べると、1000年に一度位の頻度で発生する南海トラフ巨大地震で予想される最大規模の津波を想定している。加えて静岡県による津波防護施設(江尻・日の出地区津波防護施設整備計画)の完成で、波高2m程度の津波が10cm以下まで小さくなることから、海岸線に近い立地を過度にマイナスと捉える必要はない。港あっての清水であることもあり、海岸線から逃げるのではなく海と共生する思考、街づくりへと発想の転換が必要ではないだろうか。

2018年(平成30年)3月30日

JXTGによるLNG火力発電所計画が中止に

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 JXTGエネルギーは27日、清水区袖師町の社有地に計画していた液化天然ガス(LNG)火力発電所の計画を中止することを同社ホームページに掲載した。2015年1月に計画を公表し、配慮書届け出、方法書届け出と手続きを踏んできたものの、一部住民による反対運動に加えて静岡市長、県知事も反対する方針を示したため、昨年9月に地元の意向に沿った計画に見直すべく環境影響評価(アセスメント)の手続きを延期していた。それから半年という短期間での中止発表であるが、その結論に至るまでにどのような経緯があったのであろうか。

 昭和40年代後半、同じ敷地に当時の東亜燃料清水工場の設備増設が計画されたことがあった。当時の資料を見ると、昭和48年4月に工場前面海域の埋立工事を完了し、同年11月には工場拡張につき石油業法に基づく政府の設備増設の許可を得た、とある。増設工事を開始するに当って法律的な問題はクリアしたのであるが、当時の反対運動は今回のLNG火力発電所に対するそれとは比べ物にならないほど激しく、着工の日を迎えることなく増設計画は頓挫した。それから約40年、海に面する一部敷地にはJXTGと静岡ガスが共同で設立した清水エル・エヌ・ジーによるLNG基地が稼働しているものの、残された大部分は今日まで荒れ放題の草地のままである。

 LNG火力発電所の計画が表面化した当初、静岡市としての明確な意思表示はなかった。その理由は明らかでないが、発電所は装置産業であるため、雇用増大は期待できないものの、稼働すれば多額で安定した固定資産税が毎年入ることもあり、税収増に期待して反対の姿勢を取らなかったのではなかったか。

 合併協議会の合意に反して市議会議事堂、上下水道局と清水庁舎にある本庁機能を静岡庁舎周辺に移転する作業を続けてきた静岡市当局は、桜ケ丘病院移転問題と静岡庁舎への本庁集約作業をリンクさせ、清水庁舎(区役所)をJR清水駅東口に移転し、庁舎跡地に桜ケ丘病院を移転するという、二段構えの移転策を考え出した。しかしながら、さすがに区役所の眼前に発電所は相応しくないと思ったのだろう。昨年3月に桜ケ丘病院の移転先が清水庁舎敷地に決まり、清水区民に対する住民説明会を終えた同年8月になって、ようやく田辺静岡市長による火力発電所に反対の意向表明に至った。

 一部の地元住民、県知事、そして静岡市長の三者に反対されたのでは、日本最大のエネルギー会社を自認するJXTGも、地元の意思を尊重して計画を断念せざるを得なかったのであろう。

 今回はJXTGの大幅な歩み寄りで決着をみたが、JR清水駅前東口に残る広大な土地の活用については、静岡市も「国際海洋文化都市構想にふさわしくない」という漠然とした方向を示しているだけであり、所管とする都市計画でも工業専門地域のまま据え置いている。この土地はJXTGが多額の資金を掛けて海を埋め立て造成した私有地なのだから、今度は市側が譲歩し、港湾管理者の県、それに地元住民も加えて、企業側に利益が出る形での有効利用に向け、早急に計画策定を進めて貰いたい。

2018年(平成30年)3月29日

「清水立体」本格着工

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 昨年に着工した静清バイパス清水立体が、本格的な工事に着手するため、平成30年1月28日に起工式典を開催することになった。清水区横砂東町と八坂西町を結ぶ延長2.4㎞のうち車線変更など準備工事が進んでいる庵原交差点以東で、高架橋を支える橋脚の建設に着手するようだ。

 また庵原交差点以西でも準備作業が着々と進んでおり、先頃には週末を利用してバイパス地下の地質調査が行われたが、下り線3車線を1車線減らして2車線にすると大渋滞となり、大変な混み様であった。

 全線の工事完了まで何年かかるのだろうか。今でも慢性的な渋滞が絶えないのに工事の進行で更なる混雑が予想され、生活に支障が出ないか周辺に住む者として少々気がかりではある。

2017年(平成29年)11月27日

東燃と清水LNG発電所計画 その二

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 本日の静岡新聞朝刊に「富士山静岡スタジアムを作る会」による意見広告が掲載された。7月23日、8月6日に続く第3回であり内容的に目新しさに乏しく、また全般に粗さが目立つ内容でもあったので、主だったところを検証してみたい。
(「 」内は意見広告の内容である)

 その一 「事業者は一般家庭への売電も可能というが、大部分が東京電力へ売電され、東京の電力を賄うことになるのは明らかで、高圧送電網の新設(環境破壊)が必要。このコストを安くする為に発電機を増やす。千葉と川崎の火発計画が頓挫したので、袖師町への増発は必然の流れ。」

 当初計画では発電機3基で170万キロワットだったのが2基110万キロワットに変更されている。さらに1基ずつ中電管内(60ヘルツ)と東電管内(50ヘルツ)に売電することになっている。異なる周波数で発電するのであるから大部分を東電向けにするのは不可能である。
 送電線は発電所から山地に至る市街地部分では地下送電で対応することになっており、景観破壊は少ない。また増設の心配であるが、袖師のJXTG敷地にそれ程の余裕はないであろう。

 その二 「経済成長を優先させた時代には、人口密集地に接して石油タンクが作られた。今は、人の安全と安心が優先される。これが原則!袖師の石油・LNGタンク群は出来るだけ速やかに移転してもらうべきである。」

 理想を突き詰めれば、市街地の隣接する場所に石油や化学コンビナートなどの危険施設が無いほうが良いことに異論をはさむ余地はない。しかしながら、現状を見ればJXTG油槽所や袖師第二埠頭にも鈴与や昭和シェル石油関連の出荷基地があって、県内外に石油製品やアスファルト等を供給しており、これらの業務に携わり生活の糧とする市民も多い。
 また、清水LNGは貯蔵能力33.7万キロリットルを有する静岡県における唯一のLNG基地であり、東に南富士幹線や第二駿河幹線、西に静浜幹線のパイプラインを通じて県内一円にLNG(都市ガス)を供給している。
 清水存立基盤の大きな部分を失うことになりかねない、これらの石油産業インフラを移転するのが現実的であろうか。サッカーや観光で補えるとはとても思えない。清水の縮小が進んでしまうのは明白だ。

 その三 「旧東燃のこの用地は広い。仮に、LNG火発と富士山静岡スタジアムを両方ここに作ろうという案が出されたとしても、人口密集地に接して危険な工場を作ってはならぬ。この原則は守らなければならぬ。」

 7月31日に、清水LNG火力発電所に反対する住民グループが川勝知事と面談した際に、知事は「Win-Winの関係が必ずあると思う。敵味方にならないようにそれぞれ譲る所は譲るべき」と、反対の意向をにじませつつも慎重な言い回しを用いている。
 巷では、発電機を3基から2基に減らしたことがサッカースタジアムの実現に関連していると、期待を込めて噂されている。LNG火力発電所が無いに越したことがないが、既に巨大なLNG地下タンクが存在し稼働しているのであるから、仮にサッカースタジアムが実現するのであれば、火力発電所の建設もやむを得ないであろうか。
 その際は発電能力の更なる削減とそれに伴う環境汚染の低減。そして発電設備の半地下化など、環境や景観への最大限な配慮が必須だ。煙突が環境の障害になる声が多いが、新興津埠頭にあるガントリークレーン3基はアームを立てると高さ105メートルになることもあり、煙突だけを問題視するのは公平性を欠くであろう。

 その四 「三保は、水中、海上、吊り橋の三路でつなぐ」
 静岡県が作成した少し古い時代の清水港港湾計画図には、袖師第一埠頭と三保貝島を繋ぐ交通アクセス(道路)が盛り込まれていたが、いつの頃からか削除されている。また清水商工会議所の時代にはほぼ同じ場所に吊り橋を建設する計画が盛り込まれていたが、静岡商工会議所と合併し新静岡商工会議所になってから程なく、こちらも削除されている。
 たしかに三保の松原は富士山世界文化遺産の構成要素に選ばれる程の景勝地であるが、造船所の廃止や規模縮小など経済的衰退や人口減少、それに吊り橋による時間短縮効果の少なさなど、数百億円も掛けて吊り橋を作る程の効果が見込まれないということであろう。

 その五 「官民総がかりで、この広い土地を買い、観光施設を作ろう。」

 JXTGの敷地全てを買い取るとしてざっと約20万坪程はある。坪単価40万円として土地取得費だけで800億円。これに加えてJXTGや清水エル・エヌ・ジーの移転費用として、どう考えても200億円以上は必要であろう。合計すると1000億円以上の資金が必要になる。
 草薙総合運動場の球技場や日本平スタジアムを売却しても恐らく100億円に満たないであろう。となると、県、市の財政と企業や個人の寄付金で1000億円余りを調達しなければならないことになるが、果たして現実的な計画であろうか。

 結論 
 小生は清水LNG火力計画に反対の立場であるが、川勝知事の発言の通り、清水、特に袖師町民と東燃(JXTG)は戦前から今日に至るまで長い間良好な関係にあっただけに、譲るべきところは譲って、お互いに納得の行く落としどころを見つけ、我欲を抑え清水発展のために賢い選択をすべきと考える。
 袖師町の氏神様である神明宮の横にかつて東燃体育館があり、清水総合運動場に鈴与記念体育館が出来るまでは清水市内で最大の体育館であった。今回はサッカースタジアムということになるのであろうか。もちろん公害など環境に与える影響を細部に至るまで全てクリアーした後のことではあるが。

2017年(平成29年)8月20日

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